
最初は余裕資金でした。
10万円。
なくなっても「授業料」と笑える額のはずでした。
でも相場は、こちらの“軽さ”を嗅ぎ分けます。
「この人間は、痛みのラインが浅い」
そう判断された瞬間から、値動きは牙を剥きます。
その夜、私はパソコンのチャートを眺めたまま放心しました。
画面のローソク足が、まるで心電図みたいに脈打っていて――
私の心拍と同期している気がしたんです。
含み損が増えるたびに、呼吸が浅くなる。
「まだ戻る。ここで切ったら負けになる」
自分に言い聞かせる声は、励ましじゃない。言い訳です。
そして、10万円があっという間に溶けました。文字通り、一気に。
「やっちゃった…」と呟いた直後、胸の奥が妙に静かで。
人って本当にショックを受けると、逆に無音になるんですね。
(この時の感情、今でも思い出して胸が苦しくなることがあります)
……しかし、本当の地獄は、そこからでした。
“負けた”という事実より、
“負けたまま終われない”
という感情が、私を握り潰しに来た。
取り返さなきゃ。
取り返してからやめよう。
取り返したら、全部チャラにできる。
この思考が出てきた時点で、私はもう相場と取引していません。
自分の後悔と取引していたんです。
気づけば、生活資金の通帳を開いていました。
指が震える。
冷静な自分が奥で叫んでいるのに、目の前の私はこう言う。
「少しだけ。ちょっとだけなら…」
あの瞬間ほど、自分が怖くなったことはありません。
“相場に負ける”より、自分の理性が崩れるのが怖い。
しかしそこで私は、ギリギリ踏みとどまりました。
チャートをすべて閉じて、パソコンの電源を落として、深呼吸して。
その時、ようやく分かったんです。
相場は当てるゲームじゃない。
勝つゲームですらない。
生き残るゲームだ、と。
私はそこから、派手な必勝法ではなく、
「死なない仕組み」を作りました。
そして皮肉にも――その地味が、いまの勝ちに直結しています。
今回紹介する17個の事例については、実際に私が経験し、FXで負けたことの事実を羅列します。
今だからこそ私も笑い話としていますが、当時は非常に苦しく、またメンタルにも著しい不調をきたしました。
あまり重くならないように軽くは書いていますが、FXをやったことがある人なら大体の人は同調いただける内容になっていると思いますので、相場の先輩が舐めてきた辛酸を確認しながら、これから相場の世界に飛び込む人への少しでも参考になれば幸いです。
- これをやれば絶対に負けられる:田丸洋次の黒歴史17選(真似厳禁!!!!!)
- 1. 根拠ゼロで「なんとなく買う/売る」
- 2. ロットを気分で決める(感情連動型ロット管理)
- 3. 「取り返す」ために連打する(リベンジトレード)
- 4. 損切りを消す(祈りで相場を動かそうとする)
- 5. 損切りを遠ざけ続ける(傷口を広げる天才)
- 6. ナンピンで平均値を整える(見た目だけ綺麗)
- 7. 勝ったらロット倍、負けてもロット倍(感情マーチン)
- 8. 利確は秒速、損切りは永遠(損小利小・損大利大)
- 9. 指標発表に突撃して運ゲー化する
- 10. スプレッド・約定・手数料を見ない(見えない敵に殴られる)
- 11. 一晩で手法を変える(コロコロ病)
- 12. SNSの断片に丸乗りする(他人のリスクで戦う)
- 13. 都合のいい情報だけ集める(ポジション正当化)
- 14. チャートを見すぎて手が勝手に動く(ポチポチ病)
- 15. 睡眠不足・イライラ・酒でトレードする(セルフハンデ戦)
- 16. 記録しない/損益を見ない(検証ゼロで永遠ループ)
- 17. 「絶対」を信じる(絶対勝てる・絶対戻る)
- 初心者が踏みとどまるためのチェックリスト5選
- エンディング
- この記事を書いた人
これをやれば絶対に負けられる:田丸洋次の黒歴史17選(真似厳禁!!!!!)

※注意:ここから先は「反面教師」です。笑って読んでOKですが、真似はしないでください。
1. 根拠ゼロで「なんとなく買う/売る」
チャートを3秒眺めて「うん、上がりそうですね」でエントリー。
私はたぶん、相場に“相づち”を打っていました。傍から見れば怪しい人。
根拠がないトレードは、だいたい願望の擬人化です。
今の私は:根拠が言語化できないなら、見送りが正解です。
2. ロットを気分で決める(感情連動型ロット管理)
勝ちたい気分の日は強気。負けた日はもっと強気。
ロットがメンタルと連動すると、口座はだいたいメンタルより先に壊れます。
こんなところでシンクロ率100%は願い下げですね。
今の私は:1回の損失上限を固定。ロットは“気分”じゃなく“数字”で決めます。
3. 「取り返す」ために連打する(リベンジトレード)
負ける→取り返す→負ける→取り返す。
これはトレードじゃなく、相場への追い課金です。もはや推し活。
しかも課金してるのはお金だけじゃない。メンタルも課金してます。
ファンの鑑です。相場くんもこれだけ愛されれば嬉しいことでしょう。
今の私は:負けた日は強制終了。席を立つルールが最大の武器になりました。
4. 損切りを消す(祈りで相場を動かそうとする)
損切りに近づくたび、指が勝手に「取り消し」を押す。
「戻るまで耐える」は勇気じゃなく、祈りです。
祈りは神には届くかもしれませんが、相場には届きません。
相場はRPGのように都合よく勇者に勝利をもたらさないのです。ちくしょう。
今の私は:損切りは“負けの宣言”ではなく“保険”。事前に置きます。
5. 損切りを遠ざけ続ける(傷口を広げる天才)
小さな痛みを認めないと、大きな痛みに育ちます。
相場の恐ろしさは「痛みの先送りに利息がつく」ところです。
最大の痛みは、とても痛いとかじゃなくてもはや痛みを感じないレベルです。
今の私は:間違えたら早めに切る。これが一番安い。
6. ナンピンで平均値を整える(見た目だけ綺麗)
逆行したら追加、さらに逆行したら追加。
平均建値が整うと、心は一瞬落ち着くんです。
でも現実は、ポジションだけが太っていく。
ポジション太りはお腹周りの脂肪ぐらい痩せません。
今の私は:基本しません。やるなら条件・回数・総リスク上限を先に決めます。
7. 勝ったらロット倍、負けてもロット倍(感情マーチン)
勝った!→いける!
負けた…→取り返せる!
どっちでもロットが増えるって、冷静に考えると怖いですよね。
アドレナリンが切れたときに襲ってくる恐怖はもはやホラー映画。
今の私は:成績が安定したら段階的に上げる。勝っても負けても一定。
8. 利確は秒速、損切りは永遠(損小利小・損大利大)
勝ちは逃したくない。負けは確定したくない。
この人間心理の“自然な反応”に任せると、自然に負けます。
FXを一度でもやったことがある人であれば遭遇率100%。
今の私は:利確・損切り幅を事前に決め、リスクリワードを守ります。
9. 指標発表に突撃して運ゲー化する
CPIや雇用統計で「一撃で取り返すぞ!」
気持ちは分かります。分かるから危ない。
大きく動く相場は、チャンスでもありますが、事故も同じだけ増えます。
運に任せた博打は相場という巨大な胴元に全て吸い上げられます。カ◯ジかよ。
今の私は:“やらない指標”“やらない時間”を決めています。
10. スプレッド・約定・手数料を見ない(見えない敵に殴られる)
数pipsのズレを「誤差」で片付けると、じわじわ削られます。
気づいた時には「え、勝ってるのに増えてない…」となります。
スライムの攻撃でも回復しなければ、いつかは勇者も死にます。
今の私は:環境も戦略の一部。戦いやすい土俵を選びます。
11. 一晩で手法を変える(コロコロ病)
昨日は移動平均。今日はRSI。明日は謎のインジ。
私の手法は毎日転職していました。ダ◯マ神殿の神官も大忙しです。
当然、何が効いて何がダメか、永遠に分かりません。
今の私は:手法を固定して検証→改善。武器を育てます。
12. SNSの断片に丸乗りする(他人のリスクで戦う)
「ここロング!」と言われて乗る。
勝てば自分の手柄、負ければ相場のせい。学びも再現性もゼロ。
俺は悪くねぇ!どこかのゲームキャラでしょうか。
今の私は:他人の意見はヒント。最終判断は自分のルール。
13. 都合のいい情報だけ集める(ポジション正当化)
買った瞬間から、買い材料しか見ません。反対材料は“見なかったこと”にする。
これ、相場観を守って資金を捨てる行為です。
もはや自殺行為ですが、これを本当にナチュラルにやってしまうので相場の魔力は怖い。
今の私は:反対シナリオを必ず書く。逃げ道があると心が落ち着きます。
14. チャートを見すぎて手が勝手に動く(ポチポチ病)
トレードしてないと不安。だから、やる。
これはもう投資じゃなくて、感情の処理です。
想い焦がれるあの娘に課金したい。でもその推しは塩対応どころか殺しにきます。
今の私は:待つ時間を仕事として扱います。回数が減るほど成績が安定しました。
15. 睡眠不足・イライラ・酒でトレードする(セルフハンデ戦)
コンディションが悪い時ほど、なぜか相場に触りたくなる。
たぶん、相場で気分を取り戻したい。でも失敗すると、さらに気分を失います。
なんでこんなに相場は底なし沼なのか。はい。私が意志薄弱なだけでした。
今の私は:状態が悪い日は“ノートだけ”。触らないのが勝ち。
16. 記録しない/損益を見ない(検証ゼロで永遠ループ)
負けても「相場が悪かった」で終わる。これ、成長の入口が永遠に開きません。
松浦静山の金言『負けに不思議の負けなし』が身に沁みます。
今の私は:負けを“データ”にします。負け方が分かると、勝ち方が組めます。
17. 「絶対」を信じる(絶対勝てる・絶対戻る)
相場の“絶対”は、だいたい罠です。
絶対戻る、絶対勝てる、絶対ここが底。
その確信が、口座を削る刃になります。
全世界の億を越える相場参加している人間の思惑など誰も読めないのです。
今の私は:間違える前提で組み立てます。だから致命傷を避けられます。
初心者が踏みとどまるためのチェックリスト5選
※ひとつでも「守れてない」がある日は、トレードを控える合図です。
1) 余裕資金の範囲を超えていませんか?
- 生活費・家賃・カード支払いに触れそうなら即停止
- 「取り返せばいい」は最も危険な合言葉です
2) 1回の損失上限が“数字”で決まっていますか?
- 「今日はこれ以上負けたら終わり」が決まっていない日は、負けが膨らみます
- 感情はブレーキになりません。数字がブレーキです
3) 損切りは“事前に”置いていますか?
- エントリーしてから考える損切りは、だいたい遅れます
- 損切りが置けないなら、入らないでください
4) 負けた日は強制終了ルールがありますか?
- 連敗の入口は「取り返す」
- 1日単位で損失を止められる人が、月単位で生き残ります
5) いまの自分の状態はトレード向きですか?
- 睡眠不足/イライラ/焦り/酒/時間がない
- この状態で触る相場は、だいたい“相場”ではなく“感情の処理”になります
エンディング

あの頃の私は、相場に「なんとなく」で話しかけ、
相場から「知らんがな」で返されていました。
10万円は溶けました。
心も一度、溶けかけました。
でもそのおかげで、私はようやく学びました。
相場で一番強いのは、当てる人じゃありません。
退場しない人です。
だからお願いがあります。
勝つ前に、生き残ってください。
そしてもし、指が「少しだけ…」と通帳に伸びそうになったら――
スマホを遠くに投げて、深呼吸。
あの日の私みたいに、ギリギリで踏みとどまってください。
初心者にはこちらの鉄則記事も絶対にお読みください。
→FXの鉄則|初心者はまずこれだけ覚えろ!基礎知識(用語・チャート・資金管理)
※注意:本記事は個人の体験談であり、特定の投資手法の利益を保証するものではありません。取引は必ず余裕資金の範囲で、損失許容度を決めた上で行ってください。



