FXロット計算の基本|1回の負けで退場しない資金管理

FX

相場は、当てた人から金を奪うことがあります。でも、もっと確実に奪うのは「ロットが雑な人」です。

私がディーリングルームで何度も見たのは、方向の読みが正しくても、ロットのせいで退場が決まる場面でした。

結論:
ロット計算は「勝つため」ではなく、生き残るためにあります。
許容損失 → 損切り幅 → ロット逆算。この順番を固定してください。

この記事では、FX初心者でも迷わないように、ロット計算を“毎回同じ手順で実行できる型”として渡します。


ロットとは?まず「通貨数量」に翻訳してください

国内FXでは「1ロット=1万通貨」など、業者ごとに表記が違います。ここが初心者を迷わせます。

なので私は最初に、ロットを「通貨数量(units)」に翻訳させます。

  • 通貨数量(units):あなたが実際に持つポジションの大きさ
  • ロット:業者が見せている“見た目の単位”

私のやり方:ロット表記に慣れるまでは、「何通貨持っているか」だけを見ます。これで計算が崩れません。


ロット計算の前に「許容損失」を決めます(最重要)

ロット計算は、式より先に覚悟が要ります。

つまり「この1回のトレードで、いくらまでなら失っていいか」です。これが決まっていない人は、相場にロットを握られます。

許容損失は「%」で固定するとブレません

私は基本、1回あたり口座資金の0.5〜1.0%を推奨します(攻めても2%まで)。

理由は単純です。連敗しても生き残る確率が上がるからです。

口座資金 0.5% 1.0% 2.0%(上限)
10万円 500円 1,000円 2,000円
50万円 2,500円 5,000円 10,000円
100万円 5,000円 10,000円 20,000円

重要:
許容損失が先、ロットは後です。
ロットから入ると、負けた瞬間にメンタルが破壊されます。


ロット計算は「損切り幅」が決まらないと始まりません

ロットは、損切り(撤退ライン)とセットです。

損切りが曖昧な人ほどロットが大きくなる。これはほぼ例外がありません。

損切り幅は「構造」で決めます

  • 直近の高値・安値の外
  • サポート/レジスタンスの外
  • その形(押し目/戻り)が崩れる価格

私の基準:「そこを割ったら、自分のシナリオが死ぬ」場所に置きます。痛い場所に置くのが正しいです。


pips価値(1pipsの損益)を理解すると、ロットは勝手に決まります

ロット計算で最後に必要なのは、1pips動いたときに、あなたの損益がいくら動くかです。

超基本:pipsの桁は2種類だけ

  • 多くの通貨ペア:1pips=0.0001
  • 円が絡む通貨ペア(USD/JPYなど):1pips=0.01

円絡みの最短暗記:
USD/JPYを1万通貨持つと、1pips=約100円動きます。
(1pips=0.01円 × 10,000通貨=100円)


ロット計算の式(これだけ)

ロット(通貨数量)= 許容損失 ÷(損切り幅pips × 1pipsの価値)

式は一瞬で終わります。難しいのは、許容損失と損切り幅を先に決めることです。


例題:USD/JPY(円口座)でロットを逆算します

いちばん使う例で、実務に落とします。

条件

  • 口座資金:100万円
  • 許容損失:1% → 10,000円
  • 通貨ペア:USD/JPY
  • 損切り幅:30pips(0.30円)

1万通貨あたりのpips価値を出します

USD/JPYは1pips=0.01円です。

1万通貨なら、1pipsの損益は 0.01円 × 10,000=100円 です。

30pips逆行したときの損失(1万通貨)

100円 × 30pips=3,000円です。

許容損失10,000円に収めるロット

10,000円 ÷ 3,000円 = 3.33…

つまり、約3万通貨(業者表記で3.0ロット相当:※1ロット=1万通貨の業者の場合)が上限です。

この例の結論:
損切り30pipsなら「最大3万通貨」
これが資金管理の“現実”です。欲望で10万通貨にすると、事故が起きた日に口座が死にます。


初心者が必ずやるロット事故(ここを潰すと生存率が上がります)

事故①:ロットを先に決めて、損切りを後回し

これは相場に喰われる典型です。損切りが決まらない=許容損失が決まらないなので、結局「祈り」になります。

事故②:含み益が出た瞬間にロットを上げる

相場は、気持ちよくさせてから落とします。勝っている時ほど増やしたくなる。だからこそ、増やす基準はルールに閉じ込めるべきです。

事故③:レバレッジの“最大値”を基準にする

最大レバレッジは「許可された危険」です。基準ではありません。

レバレッジが高いほど、値動きで損益が跳ねます。ロットは「耐えられる損失」から逆算してください。


私の5分ルーティン|エントリー前にこれだけやります

  1. 許容損失(円)を決めます(例:資金の1%)
  2. 損切り幅(pips)を決めます(形が崩れる場所)
  3. 1pipsの価値を確認します(円絡みは暗記でOK)
  4. ロットを逆算して、発注します
  5. 最後に、逆指値が入っているかを確認します

私の結論:ロット計算は、相場の前で冷静になるための儀式です。計算しない日は、入らない。それくらいでちょうどいいです。


FAQ|よくある質問

Q. 許容損失は結局、何%が正解ですか?

A. 正解は「あなたが連敗しても壊れない%」です。迷うなら0.5〜1%から始めてください。まずは生存率を上げることが先です。

Q. 損切り幅が大きいとロットが小さくなって勝てません

A. それが現実です。勝ちたい気持ちは分かりますが、大きな損切り=大きなロットは事故の入口です。損切りを狭めるのではなく、エントリーの精度(場所)を磨いてください。

Q. 計算が面倒です。簡単にできますか?

A. できます。USD/JPYなら「1万通貨=1pips約100円」を暗記してください。あとは「損切りpips×100円」で1万通貨の損失が出ます。そこから許容損失で割るだけです。


次の一手:
ロットが決まったら、次に必要なのは「損切りの置き方」です。ロットと損切りはセットで完成します。

私は「勝てるか」より先に、退場しない仕組みを作るべきだと考えています。


まとめ|ロットは“欲望”ではなく“生存率”で決めます

  • 許容損失を先に固定(0.5〜1%が基本)
  • 損切り幅を構造で決める(形が崩れる場所)
  • ロットは逆算(許容損失 ÷ 損切り幅 ÷ pips価値)

相場は、勝ちたい者の欲望を利用します。だから私は、欲望を数式に閉じ込めます。

ロット計算は、あなたの資金とメンタルを守る防弾チョッキです。


情報ソース(権威・一次寄り)

注意書き:本記事は教育目的であり、特定の売買を推奨するものではありません。相場は急変し得ます。投資判断はご自身の責任で行い、必ず損切り(撤退ライン)と資金管理(許容損失・ロット)を設定してください。レバレッジ取引は損益が拡大し、証拠金以上の損失が発生する可能性もあります。取引条件・ロット定義・pips価値は口座や通貨ペアにより異なる場合があるため、ご利用の取引所・FX会社の仕様も必ずご確認ください。


この記事を書いた人


田丸洋次のプロフィール画像

田丸 洋次(たまる ようじ)

3度の飯より為替相場観察が好物。FXのプロフェッショナル

【経歴】

1986年、愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後、外資系証券会社でディーラーとしてキャリアを積む。
欧州債危機・アベノミクス・米金利政策など、為替市場の大転換をリアルタイムで経験。
個人トレーダーとして独立後は、テクニカルとファンダメンタルの融合戦略を提唱し「感情を排した機械のようなトレード哲学」で多くの勝率改善を指導。
バイナリーオプションは独自の分析で勝率7割越えの画期的なロジックを開発し、荒稼ぎしたことも。
YouTubeやブログで相場心理と手法を体系的に発信し、個人投資家の“生存率”を高めることを使命とする。


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