副業を始める前に知っておきたい!確定申告の基本
「副業を始めたいけど、確定申告って難しそう…」そんな不安を抱えていませんか?安心してください。確定申告は基本を押さえれば、思っているよりもずっとシンプルです。
確定申告とは、1年間(1月1日から12月31日まで)に得た所得を計算し、税務署に申告して税金を納める手続きのことです。会社員の方は、通常は会社が年末調整をしてくれるため、確定申告をする機会がほとんどありません。しかし、副業で収入を得ると話が変わってきます。
副業収入には大きく分けて3つの所得区分があります。まず「給与所得」は、アルバイトやパートなど雇用契約に基づいて働いた場合の所得です。次に「事業所得」は、継続的・反復的に事業として行っている活動から得られる所得で、帳簿書類の作成と保存が必要です。そして「雑所得」は、クラウドソーシングやブログ収入など、事業所得に該当しない副業収入を指します。
この所得区分の違いは、確定申告の方法や経費の扱いに影響してくるため重要です。特に2022年からは明確なルールが提示され、帳簿書類を作成・保存していない場合は原則として雑所得として扱われることになりました。
では、どんな人が確定申告をする必要があるのでしょうか?基本的には、給与所得以外の所得(副業の所得)が年間20万円を超える場合、確定申告が必要です。ただし、この「20万円」というのは「収入」ではなく「所得」であることに注意が必要です。所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額のことを指します。
もし確定申告をしなかったらどうなるのでしょうか?申告漏れが発覚すると、本来納めるべき税金に加えて「無申告加算税」(最大20%)や「延滞税」(年8.7%程度)といったペナルティが課されます。意図的な隠ぺいと判断されれば「重加算税」(最大40%)が課されることもあり、追徴課税の負担は非常に重くなります。
「バレないだろう」と考えるのは危険です。税務署は金融機関の取引データやクラウドソーシングサイトの報酬データなど、さまざまな情報源から副業収入を把握できる仕組みを持っています。安心して副業を続けるためにも、正しく申告することが何より大切です。
「20万円以下なら申告不要」の落とし穴!本当のルールを徹底解説
「副業の収入が20万円以下なら確定申告しなくていいんでしょ?」——これは副業を始める人の多くが持っている認識ですが、実は大きな誤解が潜んでいます。
まず押さえておきたいのは、20万円ルールで見るのは「収入」ではなく「所得」だということです。給与所得以外の副業の場合は、収入から必要経費を差し引いた「所得」が20万円以下であれば確定申告は不要とされています。一方、副業がアルバイトやパートの給与収入の場合は、年末調整されなかった「収入」が20万円以下かどうかで判断します。
具体例で見てみましょう。あなたがクラウドソーシングで年間30万円の収入を得たとします。しかし、パソコン購入費やインターネット料金など、必要経費が12万円かかっていたとしましょう。この場合、所得は「30万円-12万円=18万円」となり、20万円以下なので確定申告は不要です。しかし、もし経費が8万円だけだったら、所得は22万円となり確定申告が必要になります。
ここからが重要なのですが、20万円以下でも確定申告が必要になる5つのケースがあります。
1つ目は、医療費控除や住宅ローン控除(初年度)、ふるさと納税の寄附金控除などで確定申告をする場合です。これらの控除を受けるために確定申告をする場合は、20万円以下の副業所得も含めてすべての所得を申告しなければなりません。20万円ルールは「確定申告をしない場合の特例」なので、他の理由で申告する際には適用されないのです。
2つ目は、本業の給与収入が2,000万円を超える場合。3つ目は、2か所以上から給与を受けている場合(副業がアルバイトなど)で、その給与収入の合計が20万円を超える場合。4つ目は、源泉徴収されている副業で還付を受けたい場合です。5つ目は、災害減免法による猶予を受ける場合などです。
そして、多くの人が見落としがちな最大の落とし穴があります。それは住民税の申告です。
20万円ルールは所得税の確定申告に関するものであり、住民税には適用されません。副業の所得が20万円以下であっても、1円でも利益がある場合は市区町村に対して住民税の申告が必要です。所得税は国の税金ですが、住民税は都道府県や市町村の税金であり、管轄が異なるため別途申告が必要なのです。
確定申告をすれば、その情報が自動的に市区町村に送られるため住民税の申告は不要になります。しかし、20万円以下で確定申告をしない場合は、必ず3月15日までに市区町村の役所で住民税の申告を行いましょう。申告を忘れると、延滞税が加算されるだけでなく、各種証明書が発行できないなどの不都合が生じる可能性もあります。
所得の計算方法をもう一度確認しておきましょう。「所得=収入-必要経費」です。たとえば、せどりで商品を50万円で販売し、仕入れに35万円、送料や梱包材に3万円かかった場合、所得は「50万円-35万円-3万円=12万円」となります。領収書やレシートはしっかり保管し、経費を正確に計上することが大切です。
副業の種類別!税金の計算方法と確定申告のやり方
副業にはさまざまな種類があり、それぞれ税金の計算方法や確定申告の手続きが異なります。ここでは代表的な副業のパターン別に、具体的な申告方法を解説します。
クラウドソーシング・ブログ収入の場合
ライティングやデザイン、プログラミングなどのクラウドソーシング、アフィリエイトやブログ収入は、基本的に「雑所得」として扱われます。ただし、事業規模や継続性、費やされた時間などを総合的に判断して「事業所得」に該当する場合もあります。事業所得として認められるには、帳簿書類を作成し保存しておく必要があります。
雑所得の場合、確定申告書の第一表と第二表に記入します。収入金額から必要経費を差し引いた金額を「雑所得」の欄に記入しましょう。事業所得の場合は、青色申告決算書または収支内訳書の作成が必要です。
アルバイト・パート型副業の場合
本業以外でアルバイトやパートをしている場合、これは「給与所得」になります。副業先からも源泉徴収票が発行されるので、確定申告の際には本業と副業、両方の源泉徴収票が必要です。
確定申告書には、すべての給与収入を合算して記入します。本業の会社で年末調整を受けていても、副業分を含めて改めて税額を計算し直すことになります。給与所得控除は自動的に計算されますので、特に心配はいりません。
せどり・物販の場合
せどりや物販ビジネスの場合、在庫管理が重要なポイントになります。仕入れた商品が売れ残っている場合、その在庫は経費として計上できません。年末時点での在庫は「期末棚卸資産」として資産計上する必要があります。
具体的には、「仕入れ金額-期末在庫金額=経費として認められる仕入れ」となります。在庫の管理表を作成し、何をいくらで仕入れて、何が売れて、何が残っているかを正確に把握しておきましょう。
経費として認められるもの・認められないもの
副業で経費として認められる主なものは以下の通りです:
– 仕入れ代金(売れた商品分のみ)
– 通信費(インターネット料金、電話代)※按分が必要
– 光熱費(自宅作業の場合)※按分が必要
– 消耗品費(文房具、パソコン周辺機器など10万円未満のもの)
– 交通費(打ち合わせや仕入れのための移動)
– 書籍代・セミナー参加費(業務に直接関係するもの)
– 家賃(自宅を事務所として使用する場合の按分)
一方、経費として認められないものには:
– 私的な飲食代や娯楽費
– 家族との旅行代(業務との関連性がない)
– スーツやビジネスバッグ(通常の勤務にも使えるもの)
– 健康保険料や年金(これらは所得控除として別途控除)
経費計上のポイントは「事業のために必要で、合理的な支出であること」です。グレーゾーンの支出については、事業との関連性を説明できるよう記録を残しておきましょう。
確定申告書の書き方(簡単な流れ)
確定申告書の作成は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使えば、画面の指示に従って入力するだけで自動計算してくれます。
基本的な流れ:
1. 「確定申告書等作成コーナー」にアクセス
2. 「作成開始」→「所得税」を選択
3. 収入金額の入力(源泉徴収票や支払調書を見ながら)
4. 所得控除の入力(社会保険料、生命保険料など)
5. 税額の自動計算
6. 住民税の徴収方法を選択(重要!後述)
7. マイナンバーの入力
8. 提出方法の選択(e-Tax、郵送、持参)
初めての方でも、1〜2時間程度で完成できる内容です。不安な方は、税務署の無料相談窓口を利用するのもおすすめです。
会社バレを防ぐ3つの対策!住民税の納付方法が最重要
「副業が会社にバレたらどうしよう…」これは多くの副業ワーカーが抱える不安です。しかし、正しい知識と対策を知っていれば、会社バレのリスクを大幅に減らすことができます。
なぜ副業が会社にバレるのか?
副業を始めて所得が増えると住民税額が高くなり、多くの場合は、社員の代わりに住民税を納付している会社にバレるおそれがあります。
具体的には、会社員の住民税は通常「特別徴収」といって、会社が給与から天引きして納付します。毎年5月頃、市区町村から会社に「住民税額の決定通知書」が届くのですが、この通知書に記載された住民税額が、会社が把握している給与額から計算される金額よりも明らかに多い場合、「何か他に収入があるのでは?」と気づかれる可能性があるのです。
対策①:住民税を「普通徴収」に切り替える
最も重要な対策は、副業分の住民税を「普通徴収」にすることです。これは、会社の給与から天引きされる「特別徴収」ではなく、自分で納付書を使って支払う方法です。
確定申告書の第二表に「住民税に関する事項 住民税の徴収方法」という欄があり、ここで「自分で納付」に○をつけます。副業の所得が20万円以下で確定申告をしない場合は、市区町村の役所で住民税の申告をする際に、普通徴収を選択します。
ただし、重要な注意点があります。副業がアルバイト・パートの給与収入の場合は、普通徴収ができない可能性が高いです。多くの自治体では、給与所得は原則として特別徴収(会社での天引き)とする運用になっているためです。この場合は、副業の形態を給与所得以外(業務委託など)にすることを検討する必要があるかもしれません。
対策②:マイナンバーで副業がバレるは誤解!
「マイナンバーで会社に副業がバレる」という噂を聞いたことがあるかもしれませんが、これは誤解です。
マイナンバー制度は、社会保障や税金の手続きを効率化するためのものであり、会社が従業員のマイナンバーを使って副業収入を調べることはできません。税務署や市区町村が持つ所得情報は、本人の同意なく第三者に開示されることはないのです。
会社がマイナンバーを使うのは、源泉徴収票や社会保険の手続きに記載するためだけです。マイナンバーがあるからといって、会社が自由に個人の所得情報を見られるわけではありませんので、安心してください。
対策③:SNSや同僚への情報漏洩に注意
意外に多いのが、SNSや同僚との会話から副業がバレるケースです。
– SNSでの発信に注意:副業の成果をSNSで発信する際は、本名や会社名を特定できる情報を載せないようにしましょう。特にFacebookなど実名SNSでの発信は要注意です。
– 同僚への口外を控える:信頼できる同僚でも、うっかり他の人に話してしまう可能性があります。副業の話は職場では極力しないのが賢明です。
– 勤務中の副業活動は厳禁:会社のパソコンやスマホで副業の連絡をする、勤務時間中に副業の作業をするなどは、就業規則違反になる可能性が高く、発覚した際のリスクも大きいです。
副業禁止の会社で働く場合の法的な注意点
まず知っておきたいのは、法律上、副業を禁止する権利は会社にはありません。2018年に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表し、原則として副業は自由であるという方針が示されています。
ただし、以下のケースでは会社が副業を制限できる可能性があります:
1. 本業に支障が出る場合(遅刻・欠勤が増える、業務効率が著しく低下するなど)
2. 会社の利益を害する場合(競合他社で働く、会社の機密情報を使うなど)
3. 会社の信用を傷つける場合(反社会的な活動、公序良俗に反する副業など)
これらに該当しない限り、会社は副業を理由に解雇や懲戒処分をすることは難しいとされています。ただし、就業規則違反として注意や指導を受ける可能性はあるため、事前に就業規則を確認し、可能であれば人事部に相談するのが安全です。
確定申告を楽にする!おすすめツールと帳簿のつけ方
「確定申告って難しそう…」と感じている方も多いと思いますが、今は便利なツールがたくさんあります。これらを活用すれば、税理士に頼まなくても自分で簡単に確定申告ができます。
初心者でも使える確定申告ソフト3選
1. やよいの白色申告/青色申告 オンライン
初年度無料で使えるクラウド型会計ソフト。画面がシンプルで初心者に優しく、電話サポートも充実しています。白色申告ならずっと無料で使えるのも魅力です。青色申告版も初年度無料、2年目以降は年間8,800円〜とリーズナブルです。
2. freee(フリー)
質問に答えていくだけで確定申告書が完成する、初心者に最も優しい設計。銀行口座やクレジットカードとの自動連携機能が強力で、入力の手間が大幅に削減できます。スマホアプリも使いやすく、スキマ時間に記帳できます。月額1,480円〜(年払いなら11,760円〜)。
3. マネーフォワード クラウド確定申告
家計簿アプリ「マネーフォワード ME」と連携できるのが特徴。すでにマネーフォワード MEを使っている方には特におすすめです。AIが仕訳を学習してくれるので、使えば使うほど楽になります。月額1,408円〜(年払いなら11,760円〜)。
どのソフトも無料トライアル期間があるので、実際に使ってみて自分に合ったものを選ぶのがおすすめです。
スマホで完結!e-Taxの始め方
e-Tax(イータックス)は、インターネットを使って自宅から確定申告できる便利なシステムです。2022年からはスマートフォンだけで青色申告も完結できるようになりました。
e-Taxを始めるための準備:
1. マイナンバーカードを取得する
2. スマートフォンにマイナポータルアプリをインストール
3. 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセス
4. マイナンバーカードで認証
e-Taxのメリット:
– 税務署に行かなくても24時間いつでも申告できる
– 添付書類の提出が省略できる(保管は必要)
– 青色申告の場合、e-Tax申告で最大65万円控除が受けられる
– 還付金の振込が早い(通常2〜3週間程度)
スマホだけで完結できるので、パソコンを持っていない方でも安心です。
日々の収支管理を簡単にする帳簿アプリ
副業の収支は日々記録しておくことが大切です。確定申告の時期になって慌てないよう、普段から帳簿をつけておきましょう。
おすすめの方法:
– Excelやスプレッドシートで管理:無料で手軽。日付、内容、収入、支出、残高の列を作るだけでOK。
– 会計ソフトのスマホアプリ:レシートを撮影するだけで自動入力してくれる機能が便利。
– Moneytree(マネーツリー):銀行口座やクレジットカードを自動連携し、収支を一元管理できる無料アプリ。
雑所得で申告する場合でも、副業収入が年間300万円を超える場合は帳簿書類の保存が義務付けられていますので、金額に関わらず記録を残しておくのが安心です。
領収書やレシートの保管方法と電子化のコツ
領収書やレシートは、確定申告後も5年間(青色申告の場合は7年間)保存する義務があります。
効率的な保管方法:
1. 月別にクリアファイルに入れる:シンプルですが効果的。月ごとに分けておけば、後で探しやすくなります。
2. スマホアプリでスキャン:「Dr.Wallet」「Scan Snap」などのアプリで撮影し、クラウドに保存。原本も念のため保管しておくのが安全です。
3. 会計ソフトのレシート撮影機能を使う:撮影と同時に仕訳も自動作成してくれるので一石二鳥です。
電子帳簿保存法の改正により、2024年1月からは電子取引(メールで受け取った請求書など)は電子データのまま保存することが義務化されました。PDFで受け取った請求書などは、印刷せずにフォルダに整理して保存しましょう。
税理士に依頼する場合の費用相場とメリット
「やっぱり自分では不安…」という方は、税理士に依頼するのも一つの選択肢です。
費用相場:
– 確定申告のみの依頼:3万円〜10万円程度(売上規模による)
– 顧問契約(記帳代行含む):月1万円〜3万円+決算料
税理士に依頼するメリット:
– 正確な申告で税務調査のリスクが減る
– 節税のアドバイスがもらえる
– 時間を副業に集中できる
– 複雑な取引がある場合も安心
売上が年間500万円を超えてきたら、税理士への依頼を検討するのが一つの目安です。最近はオンライン対応の税理士も増えており、リーズナブルな価格で依頼できるサービスも登場しています。
知らないと損する!副業で使える節税テクニック5選
同じ収入でも、やり方次第で税金は大きく変わります。ここでは、副業をしている方が使える節税テクニックを5つご紹介します。
①青色申告のメリットと白色申告との違い
副業が事業所得に該当する場合、青色申告を選択することで大きな節税メリットが得られます。
青色申告特別控除は、所得金額から最大65万円(一定の要件を満たす場合)または10万円を控除できる制度です。55万円の控除を受けるには、複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付して、期限内に提出する必要があります。
65万円の控除を受けるためには、さらにe-Tax(電子申告)で提出するか、優良な電子帳簿保存を行う必要があります。つまり、紙で提出する場合は最大55万円、e-Taxで提出すれば最大65万円の控除が受けられるということです。
青色申告のその他のメリット:
– 赤字を3年間繰り越せる(翌年以降の黒字と相殺できる)
– 家族への給与を経費にできる(青色事業専従者給与)
– 30万円未満の資産を一括で経費計上できる(少額減価償却資産の特例)
白色申告との違い:
白色申告は簡易な帳簿でOKですが、特別控除がありません。副業が本格化してきたら、青色申告への切り替えを検討しましょう。青色申告を始めるには、税務署に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります(原則として青色申告をする年の3月15日まで、新規開業の場合は開業から2ヶ月以内)。
②副業でも使える所得控除の種類
所得控除は、所得から差し引くことができる金額で、税金の計算の基礎となる課税所得を減らす効果があります。
主な所得控除:
– 基礎控除:48万円(所得2,400万円以下の場合)
– 社会保険料控除:支払った健康保険料や年金の全額
– 生命保険料控除:最大12万円
– 地震保険料控除:最大5万円
– 医療費控除:年間10万円(または所得の5%)を超えた医療費
– 小規模企業共済等掛金控除:iDeCoなどの掛金全額
これらの控除は、副業をしていてもしていなくても使えますが、確定申告をすることで漏れなく適用できるメリットがあります。会社の年末調整で申告していない控除があれば、確定申告で忘れずに申請しましょう。
③家賃・光熱費の按分計算で経費を増やす
自宅で副業をしている場合、家賃や光熱費の一部を経費にできます。これを「按分(あんぶん)」といいます。
按分の考え方:
自宅の総面積のうち、副業用に使っている部屋の面積の割合や、1日のうち副業に使っている時間の割合で計算します。
具体例:
– 家賃10万円、総面積60㎡、副業専用スペース12㎡の場合
– 按分割合:12㎡÷60㎡=20%
– 経費にできる家賃:10万円×20%=2万円/月(年間24万円)
注意点:
按分割合は合理的な根拠が必要です。「なんとなく50%」ではなく、面積や時間で明確に説明できるようにしておきましょう。一般的には、自宅兼事務所の場合は20〜30%程度が目安とされています。
光熱費も同様に按分できます。電気代やインターネット料金など、副業に使っている分は経費として計上しましょう。
④パソコンやスマホなど設備投資の減価償却
10万円以上のパソコンやカメラなどを購入した場合、減価償却という方法で複数年にわたって経費計上します。
減価償却の基本:
– 10万円未満:一括で経費計上できる
– 10万円以上20万円未満:3年間で均等に減価償却(一括償却資産)
– 20万円以上:資産の種類ごとの耐用年数で減価償却(パソコンは4年)
青色申告の特例:
青色申告をしている場合、30万円未満の資産は一括で経費計上できる「少額減価償却資産の特例」が使えます(年間300万円まで)。これは大きなメリットです。
具体例:
25万円のパソコンを購入した場合
– 白色申告:4年で減価償却(初年度約6.3万円)
– 青色申告:25万円全額を初年度に経費計上可能
高額な設備投資をする予定がある場合は、青色申告に切り替えてからの方が節税効果が高くなります。
⑤ふるさと納税との併用で賢く節税
副業をしている方は、ふるさと納税の限度額が増えるメリットがあります。
ふるさと納税は、自己負担2,000円で地域の特産品などが貰える制度です。寄附金額のうち2,000円を超える部分が、所得税と住民税から控除されます。
注意点:
– ふるさと納税の「ワンストップ特例制度」を使っている場合、確定申告をするとワンストップ特例が無効になります。確定申告をする場合は、ふるさと納税分も含めて申告する必要があります。
– 副業で所得が増えると、ふるさと納税の限度額も増えます。多くのふるさと納税サイトでシミュレーターが用意されているので、副業所得を含めて計算してみましょう。
副業収入が増えた年は、ふるさと納税の限度額も増えているはずです。上限まで活用すれば、実質2,000円の負担で多くの返礼品を受け取れるため、大変お得です。
確定申告の期限と流れ!初めてでも失敗しないスケジュール
確定申告は期限を守ることが何より重要です。ここでは、初めての方でも失敗しないよう、年間スケジュールと必要な準備を解説します。
確定申告の期間と提出期限
確定申告の期間は、毎年2月16日から3月15日までです(期日が土日祝日の場合は翌平日が期限)。2026年分(2027年に申告)の確定申告期間は、2027年2月16日(月)〜3月15日(月)になります。
期限に遅れた場合のペナルティ:
– 無申告加算税:本来の税額の15〜20%(税務署の指摘前に自主的に申告すれば5%)
– 延滞税:年8.7%程度(2025年現在)
– 青色申告特別控除が受けられない:65万円控除や55万円控除ではなく、10万円控除に制限されます
期限を過ぎてしまったら、気づいた時点で速やかに「期限後申告」を行いましょう。遅れれば遅れるほどペナルティが重くなります。
申告準備は何月から始めるべき?年間スケジュール
確定申告をスムーズに進めるための年間スケジュールをご紹介します。
1月〜12月:日常の記録
– 収入があったら記録する
– 経費の領収書・レシートを保管する
– 月に1回は帳簿を更新する習慣をつける
12月:年末準備
– 年間の収入・経費を集計する
– 不足している領収書がないか確認する
– 控除証明書(保険料など)を揃える
1月:本格的な準備開始
– 会社から源泉徴収票を受け取る
– 副業先からの支払調書があれば受け取る
– 会計ソフトで決算処理を行う
– 青色申告決算書または収支内訳書を作成
2月前半:申告書作成
– 確定申告書を作成する
– 間違いがないか見直す
– 不明点は税務署や税理士に相談
2月16日〜3月15日:提出
– e-Taxで提出、または税務署に郵送・持参
– 控えを保管する
理想的には、1月中旬には申告書の作成を始められるよう準備しておくと、余裕を持って提出できます。
必要書類チェックリスト
確定申告に必要な書類をリストアップしました。申告前に揃えておきましょう。
必須書類:
– ☑ 本業の源泉徴収票
– ☑ 副業の収入がわかる資料(支払調書、振込明細など)
– ☑ 経費の領収書・レシート
– ☑ マイナンバーカード(または通知カード+身分証明書)
– ☑ 銀行口座情報(還付金受取用)
該当する場合に必要な書類:
– ☑ 医療費の領収書・明細書
– ☑ 生命保険料控除証明書
– ☑ 地震保険料控除証明書
– ☑ 国民年金保険料控除証明書
– ☑ 住宅ローン控除の書類(初年度のみ)
– ☑ ふるさと納税の寄附金受領証明書
青色申告の場合に必要:
– ☑ 総勘定元帳
– ☑ 仕訳帳
– ☑ 青色申告決算書(貸借対照表・損益計算書)
これらの書類を事前に揃えておけば、スムーズに申告できます。
税務署・e-Tax・郵送、それぞれの提出方法のメリット
確定申告書の提出方法は3つあります。それぞれのメリット・デメリットを比較しましょう。
①e-Tax(電子申告)
– メリット:自宅から24時間提出可能、青色申告65万円控除が受けられる、添付書類の提出省略、還付が早い(2〜3週間)
– デメリット:マイナンバーカードが必要、初回設定がやや面倒
– おすすめ度:★★★★★
②郵送
– メリット:税務署に行かなくてOK、自分のペースで準備できる
– デメリット:郵送料がかかる、到着確認ができない(特定記録郵便などを使えば追跡可能)、青色申告の場合は55万円控除まで
– おすすめ度:★★★☆☆
③税務署窓口への持参
– メリット:その場で受付印がもらえる(2025年1月以降は押印が廃止されましたが、受付日は記録されます)、不明点をその場で質問できる
– デメリット:期間中は混雑する、開庁時間内に行く必要がある、青色申告の場合は55万円控除まで
– おすすめ度:★★☆☆☆
おすすめは断然e-Taxです。最初の設定は少し手間ですが、一度設定すれば翌年以降はスムーズですし、何より65万円の青色申告特別控除を受けられるメリットは大きいです。
還付金がある場合の受け取り時期と方法
源泉徴収されている副業収入がある場合や、医療費控除などで還付金が発生する場合があります。
還付金の受け取り時期:
– e-Taxの場合:申告から2〜3週間程度
– 書面提出の場合:申告から1〜2ヶ月程度
受け取り方法:
確定申告書に記載した銀行口座に振り込まれます。本人名義の口座であれば、どの金融機関でもOKです。ゆうちょ銀行も利用できます。
還付金の処理状況は、e-Taxのメッセージボックスや国税庁のサイトで確認できます。予定より大幅に遅れている場合は、税務署に問い合わせてみましょう。
—
いかがでしたか?副業の確定申告は、最初は難しく感じるかもしれませんが、基本を押さえれば決して怖くありません。大切なのは「正確に記録する」「期限を守る」「わからないことは専門家に相談する」という3つです。
この記事でご紹介した知識を活用して、安心して副業に取り組んでいただければ幸いです。副業は、スキルアップや収入アップの素晴らしい機会です。税金の知識を身につけて、自信を持って第一歩を踏み出しましょう!




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